本当にいきいきとした「まち─商業地」をつくるためには,道路や建築物などの“都市の器”を整備することと併せて,そこでのふさわしい商いや活動が行える“環境(人づくり,商いなどの事業)”を整えることが必要です。しかし,現在の「まち−商業地」は,その活力を失い,何をどの様にてこ入れをし,活性化すべきかが見えにくくなっているといえます。
そこで,この現状を打破する方法として,「まち全体を一つのショッピングモール」と捉えて,「まち全体を総合的に経営するという考え方」──いわゆるタウン・マネージメント手法によって『まち─商業地をよみがえらせる』ことが求められています。
タウン・マネージメントによって取り組む対象は,以下のようなものが考えられます。
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まちづくりにとって主要な道路,公園や拠点的な建築物等の管理,建設
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駐車場の建設,管理など,適切な交通の管理
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テナント・ミックスや、空き店舗対策等,適切な小売形態や土地利用の維持
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お祭り(イベント)の開催等,中心市街地に関する情報を発信するための活動
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街を美しく,魅力的に演出・維持(アーケード,カラー舗装等)するための事業や活動 など
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これらの取り組みは,これまでも実践されていましたが,それぞれが別々の組織や人で個々に行われていることが多く,その効果がまち全体になかなか広がらないことがありました。そこで,今後はこれらの取り組みを一体的かつ一元的に行うことが必要であり,そのためにはそれを実行する組織―タウン・マネージメント組織(TMO:Town
Management Organization)が必要といえます。
TMOは,まちづくりに関わる人々,すなわち市,各種団体(商工会,商店会組織など),商業者や市民の信頼のもとに,その間に立ち,率先してまちづくりを推進することのできる組織(第三セクター)と考えます。
よってこのTMOは,これからのまちづくりにとって要となりますので,地域の皆さんの合意を頂き,設立できることを望んでいます。
@TMOが行うまちづくりの役割
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まちづくり全体の役(パイオニア)
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市・各種団体や市民・事業者等との総合調整(コーディネーター)
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市・各種団体の包括的活動の補完・補佐(サポーター)
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市民や事業者が行う地域整備への積極的な参画(ディベロッパー)
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各種公的機関との連携により市街地環境の適正な管理・運営(マネージャー)
@TMOの財源確保方法
TMOが行う事業資金は,国・県・市や各種団体,商業者及び市民等からの出資または助成(補助),さらには自主的な事業を行うことにより,その財源を確保していくことになります。
@TMOの地域への利益還元
TMOは,民間資金や国からの補助金などを活用した各種の事業を行うとともに,中心市街地整備により生じた収入を基に,その資金を地域内整備へ再投資することで,効果的なまちづくりの推進を図ることになります。