中心市街地活性化レポート NO.3


 店舗前の空間を活かす商店街づくり


株式会社 都市構造研究センター/菅 隆

福島県のほぼ中心にある本宮町の中心市街地に、「中條四区商店街」という旧街道に面する商店街があります。ここは、現在県道拡幅の事業が進行中で、両側4.5mずつの歩道が整備される都市計画街路になっています。

この商店街では、単なる街路拡幅で終わらずに、新たなまちづくりのきっかけをこの事業に求めて、店舗の再配置や街路灯の新設を行うことになりました。さらに、各店舗前の空間を約5.5m自主的にセットバックして建て替えるように協定を締結しています。現在はほとんどの建物が店前にスペースを確保した状態で建て替えられています。

この自主セットバック部分や街路灯等は、国・県からの補助金を得ながら、TMOである「鰍lot.Comもとみや」が主体的に整備することになっています。自主セットバック部分によって商店街が街路拡幅以上に広がった空間となり、以前のイメージを一新させることになりましたが、各店舗が店前の空間をいかに活用できるかがこれからのポイントになってきます。カフェ・休憩スペース、ワゴンセールスペース、一時的な駐車スペース、フリーマーケットなどのイベント開催スペース…etc.

平成17年の春には完成し、これまでにない形の商店街が出来上がりますが、郊外店との競合に一石を投じられるか。商店街や個店のアイデアが試されることになるでしょう。


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Updated 5 April 2004