中心市街地活性化レポート NO.


  商店街が住宅づくり?


株式会社 都市構造研究センター/菅 隆

会津若松市の中心商店街である大町四ツ角中央商店街振興組合は,その名のとおり「大町四ツ角」と呼ばれる交差点を中心とした商店街で,会津若松のまちがつくられた昔には,ここを起点にして街道が四方に伸び,町割が行われた由緒ある場所でもあります。また,今度千円札のデザインとなる「野口英世」が青春時代を過ごした由来から「野口英世青春通り」と呼んで,市民や観光客からも親しまれている通りです。

さて,この商店街には,市民の日常生活を支えるスーパーマーケットがありましたが,諸事情から撤退・閉店となったのが平成12年の春でした。ここを単に空き店舗で活用するには,建物としての老朽化と規模的に使い勝手が悪いことなどの理由に併せて,そもそも減少傾向にある居住人口の抑制に貢献できるものが商店街には望まれていたことから,商店街と地元の企業が協力し,TMOが応援して,地上8階建の店舗と住宅からなる建物を新たに建設することとなりました(平成15年秋竣工予定)。建物は『ベルアス大町』という分譲マンション(38戸)となりますが,商店街に面した1階は約25坪の店舗,さらに通りに面する外部空間はポケットパークとして,テーマでもある「歴史情緒あふれる,花と緑の商店街」のシンボル空間として,市民にも安らぎの場所を提供しようとするものです。

商店街が自ら住民(お客様)を増やす試み。完成後を注目したいものです。


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Updated 22 November 2002