TMOに関するQ&A

〜 TMOが街づくりの起爆剤となりうるために 〜


目   次

  1. TMOとは何ですか?

  2. TMOが中心市街地を再生できるのですか?

  3. 既存の商工団体組織では、街の再生は困難なのですか?

  4. 商工会・商工会議所の事業にTMOを取り組めますか?

  5. TMOが空き店舗を解消できるのですか?

  6. 商工会・商工会議所の将来とTMOの関係は?

  7. 商工会・商工会議所がTMOの主体となるための条件は何ですか?

  8. TMO運営経費の調達はどうするのですか?

  9. TMOとNPOの違いは?NPOでは街づくりができないのですか?

  10. TMOと行政の関係は?

  11. TMOはデベロッパーの仕事が多いが、地元の権利調整ができにくい。これを克服するにはどうしたら良いですか?

  12. TMOの事業でどのように収益を生み出すのですか?

  13. TMOについて他に質問があるのですか…。


1.TMOとは何ですか

  • 街づくりを実践する「行政、各種団体、企業、住民等の様々な主体が参加」し、「まちを総合的に経営するという考え方」に基づき、街づくり事業を主体的に推進する組織(Town Management Organization)です。


2.TMOが中心市街地を再生できるのですか?

  • 中心市街地を再生する原動力の源は、「市民一人ひとり」であり、その力を発揮させる仕組みを作っているのが「行政」です。しかし、今日の個人として市民、一自治体としての行政には、全てを再生する十分な力がなくなっています。

  • そこで、「官と民の持っている力を連携させ、効果的に組み合わせる役割を果たすのがTMO」です。その意味で、TMOを活用して中心市街地を再生することは可能と考えます。


3.既存の商工団体組織では、街の再生は困難なのですか?

  • 結論的に言えば、困難ではありません。しかし、現状の多くの商工会・商工会議所では、困難な点があると思います。その理由は、主に3点です。

  1. 意志決定」が出来にくい場合が多い。

  2. 会員個々の経営体力」の衰退が認められる。

  3. 十分な権限と明確な役割」を持ち得ない事務局体制となっている。


4.商工会・商工会議所の事業にTMOを取り組めますか?

  •  条件が整えば、取り込めると考えます。これ迄も、行政等の支援を受けて商工会・商工会議所自体が実施している「街づくり事業」は沢山あります。それらの多くは、今後TMOが事業主体となり実施していくことが望ましいと考えます。


5.TMOが空き店舗を解消できるのですか?

  • TMOは、まちを経営という側面から、総合的に把握し、「個々の競争をマネジメントする組織」でもありますので、テナントミックス(店舗・構成)のあり方を十分調整し、新規店舗の導入をすることができると考えます。(アメリカ・イギリスの例)


6.商工会・商工会議所の将来とTMOの関係は?

  • 商工会・商工会議所は、原則的に会員である商工業者の共通利益となる事業を実施する機関です。その意味でこれまで「まち」全体の経営の一部を担ってきたともいえます。

  • 今後は、「自らTMOとなり活動をしていく」、または「TMOとパートナーシップを持ち」、役割を明確にして活動することが望ましいと考えます。


7.商工会・商工会議所がTMOの主体となるための条件は何ですか?

  • TMOの主体となるための条件としては、次のような事項を明確にしていくことが必要と考えます。

  1. 商工会・商工会議所組織の中で、「TMO事業を実施する組織を独立的に明確化」すること。

  2. 会員と事務局員(指導員)が一体不二の関係」をつくること。

  3. 商工会・商工会議所の活動が地域や行政の中で十分な認識がなされる、またはなされていること。


8.TMO運営経費の調達はどうするのですか?

  • 2つの方法が考えられます。(アメリカ、イギリスの例等を参考として)

  1. 参加者(株主や会員)の負担金」として、別途(毎年)徴収する。

  2. 各種事業を実施する中で、経費を捻出」する。

  3. 「各事業単位毎に事業費をパートナーと共に負担」する。

  4. 行政等からの支援(補助金)」を受ける。


9.TMOとNPOの違いは?NPOでは街づくりができないのですか?

  • 勿論、NPOでもできます。欧米ではTMOがNPO形態の所も多くあります。しかし、日本でのNPO法によるNPOは、非営利が大前提にあるため、通産省がイメージした今回のTMO(営利活動も含めた街づくりマネジメント活動 商業施設等)として活動することは、困難といえます。

  • そこで、NPOがTMO事業の一部を担う方法を積極的に考えていくべきでしょう。


10.TMOと行政の関係は?

  • 国の財政支援(補助金)を受けられる「TMO事業」は、区域限定型のものです。区域とは、「中心市街地」を指しています。但し、中心市街地内の住民全てが参加して、TMOが設立されることは困難なことでしょう(商工会等も同じ立場)。よって、中心市街地の再生にあたっては、以下の4点が存在するはずです。

  1. 「行政が行う事業」

  2. 「住民、商業者等が行う事業」

  3. 「TMOが行政や住民等と共同、又は協力し合い行う事業」

  4. 「TMOが自ら行う事業」

  • その意味で、TMOは「行政を補完する」立場にあります。よって、本来行政が主体的に行うことが期待される事業のいくつかをTMOが実施するとなれば、行政はTMOに対して、以下の2点を可能な範囲で行っていくことが必要といえます。

  1. 「人的支援」

  2. 「財政的支援」等


11.TMOはデベロッパーの仕事が多いですが、地元の権利調整が困難です。これを克服するにはどうしたら良いですか?

  • 方法は3つあります(過去の事例から)。

  1. 専門家(民間、行政)の協力」を得て行う。

  2. TMOの役・職員が主体的」に行う。

  3. TMOへの参加者が分担」して行う。

  • 大切なことは、「当事者同士が心を開いて対応する」ことであると思います。


12.TMOの事業でどのように収益を生み出すのですか?

  • まず、考えて欲しいことは、次の3点です。

  1. 収益の上がる事業を行うこと。(小さくてもよい)

  2. リスク分担の出来るものを行うこと。

  3. 投資効果が期待できるものを外部と共同して行うこと。

  • 利益の出る事業は必ずあります。それをどのように見つけ出し、誰(個人)が行うかで決まります。


13.TMOについて他に質問があるのですが…。


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updated 11 November 2003