3,800円+税<仙台経済界・刊>

【本書の内容 - 目次】



はじめに:グリーンフィールドはウォルマートを拒否

 

Part One:出店紛争―ウォルマート 悪の帝国

1. ウォルマートの実態/2. 小売スプロールの現状/3. ウォルマート神話の崩壊
4. ウォルマートの出店戦略/5. ウォルマートの成長戦略

 

Part Two:大型店によるスプロールを阻止する方法

6. 訪問先からスプロール.・バスターズに宛てた手紙 ― 各地の勝利内容
7. ウォルマートが降参するとき―市民の意志で打倒
8. スプロールマートを阻止する方法 ― 反対運動の組織化と活動内容
9. スプロールのない地域形成の方法―ゾーニング条例の活用と12の予防戦略
10消費者の意識改善と方法―メガストア・ダイエット
11.住民の結束による方法―ショットガンなどいらない
12. スプロール・バスターの告白―アル・ノーマン6年間の戦いの回想
FAQs スプロール阻止運動に関するよくある質問とその回答

 

付 録

付録T. スプロール・バスターズの戦略チェックリスト
付録U. ウォルマートに関する経済影響現地報告
付録V. ホーム・デポではなくホームタウンを
付録W. スプロール・バスターのツールボックス
付録X. 勝利の秘密

訳者まえがき(抜粋)


原書の題名を直訳すると「ウォルマートをたたきぶつせ」という刺激的なものであるが、副題は「あなたのまちの大規模店舗によるスプロールを阻止する方法」である。世界最大の小売企業、全米一の巨大企業に成長したウォルマートの出店と戦い続ける地元市民グループの支援活動家アル・ノーマンがこれまでの6年間(1993年-99年)にわたる戦いを通した体験から、大型店によるスプロール(まちの中心から無秩序に拡大する低密度で場当り的開発)阻止の方法をまとめたものが本書である。

著者は、ウォルマートが自ら生活するマサチューセッツ州グリーンフィールドに出店申請を提出し、町議会でゾーニング(地区ごとの土地・建物等規制)修正が決定された後、地元の反対運動グループの専門的プロデューサーとして雇われ、ウォルマートとの戦いを初めて経験する。そして運命の1993年10月19日。最終決定は住民投票により、9票差で勝利を勝ち取ることとなる。彼から届いたコメントによると、その後、今日までの9年間で全米42州、カナダ、プエルトリコ、バルバドス、バージン諸島において反スプロール活動を行っているという。

各地での体験を通して彼が一貫して述べていることは、「地域住民が地域の個性を守り、自らの意志で生活していくことの重要性」である。本書は活動を通してまとめられた住民の立場による「まちを守るまちづくり運動の史実書」としての価値を見出したい。

南部 繁樹

日本の皆さんへ―私の経験を通して(抜粋)


 2002年3月、ウォルマートは日本国内に約400店舗を有するスーパーマーケット・チェーン、西友に対し出資比率6.1%で4,600万ドルを投資したと発表しました。西友の株式取得は、ウォルマートが日本にその帝国を拡張できることから"強固な基盤"の確立と言われています。
 ウォルマート国際マーケティング担当副社長によると、アーカンソー州を拠点とするウォルマートには西友へ増資する権利がありその増資はすぐにでもに行われる可能性があるとしています。また、ウォルマート当局者は「我社は、すでに西友への初期投資よりも多額の費用を日本の顧客調査に費やしている」と述べています。
 ウォルマートが日本のあなた方を調査しているように、あなた方も彼らを調査しなければなりません。ウォルマートの社風や経営方法だけではなく、アメリカ市民が彼らにどのような対応を行ってきたのかに至るまで調査することを切に望みます。全米各地では次々とウォルマートの蔓延を阻止するために市民グループが組織化されています。法律がたとえ強力なデベロッパーに有利であっても、多くの場合、市民はこのような店舗を打ち負かすことに成功しています。
 本書は、日本の皆さんがウォルマートと戦い、勝利する方法を理解するのに役立つものと確信します。しかし、今、市民である皆さんが行動を起こさなければ、そして、共に戦わなければ、あなた方地域のコミュニティーや企業、生活の質は全て危険にさらされてしまいます。ウォルマートは経済植民地主義形態の企業です。アメリカに住む私たちの多くは、すばらしい日本の文化と経済が「米国化」されていくことを望んではいません。私たちはウォルマート人の侵入を防ぐために日本の皆さんを応援します。

2002年11月

      マサチューセッツ州グリーンフィールドにて
                      アル・ノーマン